シンナーによる人体への影響と塗装で気を付けるべき事

外壁塗装や屋根塗装などの塗装工事において、臭いを気にする方も少なくありません。
独特の臭いのするシンナーは、臭いだけではなく、人体にも影響する程の体にとっては有害なものです。

近年では各塗料メーカーの研究、開発により臭いの少ない塗料など、昔に比べると環境に優しい塗料などが次々と販売されていますが、「シンナーは有害なもの」と言うのは変わりありません。
これから外壁塗装や屋根塗装をする方は、直接触れたりする事はないとは思いますが、少なからず近くにいる以上、塗装工事中には、その臭いなどを鼻にしてしまう事になります。

今回は、シンナーによる人体への影響と塗装工事中に気を付けるべき事について解説します。
知っておく事で塗装工事中になるべく体調を崩さない様にしておきましょう。

シンナーの有害性

シンナーはトルエンを主成分とした有機溶剤です。

シンナーの有害物質を吸い込み過ぎてしまうと、頭痛や吐き気、酒に酔った様な感覚になったり、体調を崩してしまう恐れがあります。

最悪のケースは死に至ることもあります。

長期にわたってし吸ってしまうと依存性もあり、意識障害や幻覚などの症状が起こります。

シンナーは塗料用にも販売されている為、手軽に購入できる事からシンナー遊びなどが社会問題になりました。
その危険性から、シンナーの吸引や吸引目的の所持などに関しては法的に取り締められています。

短時間で起こる症状

シンナーを吸い込んでしまう事で、短時間で起こる症状は下記表のとおりです。

主な症状症状の内容
酩酊(めいてい)作用酔った様な状態になり自己抑制や判断力を失い「大きくなった気分」になる状態
麻痺(まひ)作用感覚が失われ、身体の感覚の一部の機能が停止してしまう
知覚(ちかく)異常知覚神経に刺激が加わる事で、異常な感覚が起きる
幻覚(げんかく)作用実際に見えたり聞こえたりしないものがある様に感じる
シンナーによる短時間で起こる症状

上記表は短時間に起きてしまう症状です。
シンナーを大量に吸い込んでしまうと呼吸が困難になり、最悪のケースは死に至ります。

長期的に起こる症状

長期にわたり、シンナーを吸い込んでしまう事で、身体面と精神面に異常がでてしまいます。
下記表シンナーによる長期的に起こる症状です。

影響内容
身体への影響咳、手足のしびれ、歩行困難、視力低下、めまい、息切れ、肝機能障害、脳の萎縮
精神への影響イライラや無気力状態になる。幻覚や妄想などにより異常行動を起こす。
シンナーによる長期的に起こる症状

シンナーは酒に酔った感覚になる為、その感覚に依存してやめれなくなる恐れがあります。
身体や精神に異常を起こしてからでは大変な事になります。

塗装工事を行う前に覚えておこう


シンナーは皮膚や目からも吸収

シンナーは有害物質を口や鼻から吸ってしまう事で、取り込んでしまうと思われていますが、実は皮膚や目からも吸収してしまいます。

皮膚にシンナーが付着してしまうと、その皮膚から浸透し、炎症や肌荒れなどを起こして痛みを感じてしまいます。
直接触れる事はDIYなどで、使用する以外はないと思いますが、触れてしまう恐れのある場合は、肌の露出がない様なものを着ると良いでしょう。
又、目にシンナーが入ってしまうと、目の角膜まで浸透し、充血、眼通などを起こします。

使用した手などで目をこすらない様にしましょう。


赤ちゃんやペットの被害

赤ちゃんと犬
赤ちゃんと犬

赤ちゃんへの被害

赤ちゃんは大人の人間以上に負担がかかります。
赤ちゃんは大人の人間に比べると免疫力がなく体も小さい為、大人の人間以上にシンナーの影響を受けやすく、具合が悪くなったり、体調を崩してしまう可能性が高くなります。

又、妊婦の方は妊娠中の胎児に影響が及ぶ可能性も十分に考えられる為、体調を崩さない様に十分に気をつける必要があります。


ペットへの被害

犬など猫などのペットは人間以上に嗅覚がするどい為、体調を崩してしまう事があります。
ペットは飼い主に伝える事ができないので、十分に様子を見てあげる必要があります。

又、誤って口にしない様に、シンナーの置き場所なども十分に考えて置かなければなりません。

塗装工事のシンナー対策

ここまでご覧になられた方はシンナーがどれほど人体に影響し、危険な物であるかが理解できているかと思います。
ここでは塗装工事をお願いした時にどう対策をしたら良いかを見ていきます。


塗料は水性塗料にしてもらう

塗料には水性塗料と油性(溶剤)塗料があり、水性塗料はシンナーの代わりに水で希釈する塗料になります。
元々、塗料は油性(溶剤)塗料しか製造されていませんでしたが、人体や環境への影響を考え各塗料メーカーは水性塗料も製造しています。
水性塗料が全く臭いがしなく害がないと言う訳ではありませんが、油性(溶剤)塗料に比べると臭いや害は非常に少ない塗料になります。
特に外壁に関しては、窓や換気口、玄関などが近い為、臭いが多少なりとも家の中に入ってきてしまいます。
水性塗料にする事で、臭いを少しでも少なくしましょう。


有機溶剤主任者がいる業者

有機溶剤作業主任者は国家資格の一つです
シンナーなどの有機溶剤を扱う際の身体的な被害防止や安全衛生上の労働者の衛生の確保の指揮・監督をする為の資格です。
シンナーなどの有機溶剤の取り扱いの講習をしっかり受け、試験に合格した人になります。

安全意識の高さからお客様に被害が出ない様に、注意を払ってくれるのではないでしょうか。


施工時期は計画的に

特に小さい赤ちゃんや、妊娠している方が家にいる場合、塗装工事は計画的にしましょう。
塗装工事は緊急性のある工事ではありません
妊娠している方や小さい赤ちゃんがいるので、ある程度成長した時期などを見計らって塗装をしてり、親の家、親戚の家などに泊まれる時に施工してもらうの一つの方法です。


気分が悪くなった場合

万が一、気分が悪くなったりする場合は、その場から離れ一度新鮮な空気を吸いましょう。
しばらく様子を見て気分が治らない場合は、治るのをひたすら待つのはやめて病院に行き、診察してもらうことをオススメします。

まとめ

今回は、シンナーによる人体への影響と塗装工事中に気を付けるべき事について解説しました。
シンナーはとても危険な物質という事はご理解いただけたでしょうか?


塗装にとってシンナーは付き物で、有害物質ではあるものの必要不可欠な大事な役割を果たします。
その為、取り扱う方も近くにいる方も十分に対策をして塗装工事をしなければなりません。
シンナー取り扱いや安全面もしっかりと行える優良業者を見つけて塗装工事を行いましょう。

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