塗装工事における訪問販売について
札幌で塗装工事を販売する業者の中には訪問販売業者が存在します。
訪問販売業者は消費者の住宅に営業マンが訪問し、契約を行うなどの手法をします。
失敗しない塗装工事をするには訪問販売業者には絶対に注意しなければなりません。
なぜなら塗装工事などのリフォーム工事は訪問販売業者とのトラブルが一番多いからです。
実際に国民生活センターへの訪問販売による相談件数も毎年かなりの件数がよせられています。
ただ訪問販売業者が良くないというわけではありませんが、絶対に注意しなければなりません。
そこで良い判断ができるように訪問販売について知っておくべき事項を紹介します。
塗装工事での訪問販売スタイル
①飛び込み営業
塗装工事の訪問販売で最も多いのは、飛び込み営業スタイルです。
業者が消費者の家庭を直接訪問し、工事の受注をとるやり方です。
②テレアポ営業
もう一つはテレアポ営業からの訪問営業スタイルです。
テレアポ営業は電話で先にアポイントを取り自宅を訪問して工事の受注をとるやり方です。
訪問販売はなぜ危険!?
訪問販売はなぜ危険なのか。
大きく分けて3つ理由があります。
それぞれ見ていきましょう。
①トラブル件数が多い
下記表はPIO-NET【全国消費生活情報ネットワークシステム】に寄せられた、
訪問販売によるリフォーム工事(塗装工事含む)においての相談件数です。
年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
訪問販売 相談件数 | 7,223 | 8,000 | 8,757 | 1,864 (前年同期1,464) |
点検商法 相談件数 | 5,684 | 5,759 | 7,009 | 1,424 (前年同期1,149) |
上記表をご覧になられればわかりますが、毎年数多くの相談件数があり、年々増えています。
訪問販売を行う悪徳業者がいる事により被害に遭われ、悩まされた方が多数いるのが現状です。
全ての訪問販売業者が悪徳とは言えませんが、被害に遭う可能性のリスクを考えると十分に注意しなければなりません。
②訪問販売のよくある給料システム
訪問販売業者の営業マンの給料システムは出来高制(歩合給)の給料システムがほとんどです。
会社の利益を出せばその分、自分の給料に反映されます
この様な状況から訪問販売の営業マンは自分の給料を少しでも多くもらう為に高額な金額で契約しようとします。
悪徳業者の場合、ひどいときは相場の金額より100万円もかけ離れた金額を請求してくる事もあります。
営業マンの給料システムにより高額な金額になりやすい訪問販売業者には十分に注意する必要があります。
③営業のプロ集団
訪問販売業者の営業マンは基本的に塗装工事については知識がありません。
塗装のプロではなく、営業のプロになります。
知識のない営業マンが契約を取りたいが為に根拠のない事を言うケースが多く、その様な発言からトラブルに繋がってしまいます。
例
- 「使用する塗料は30年以上持ちます」←30年以上持つ塗料はありません。
- 「今契約してくれれば足場無料です」←足場が無料になる事はありません。
上記例の様な事を営業マンに言われ「実際には違った」などとなり、結果トラブルになる傾向があります。
実際に塗装するのは塗装の職人になります。
塗装の職人と営業マンの言う事のくい違いが起きてしまう事もある為、注意しなければなりません。
上記3つの理由がある事から訪問販売は危険となるリスクが一般の塗装業者と比べ非常に高くなります。
訪問販売業者の行政規制
訪問販売は自宅を訪問し勧誘を行い、不意打ちでトラブルが生じやすいことから、
特定商取引法では消費者を守る為に違反した販売業者に対し罰則を定め、業務停止命令等が課せられています。
下記では特定商取引法で決められた行政規制を紹介します。
訪問販売業者にかせられた義務
- 販売業者は消費者に対して、事業者の氏名(会社の名称等)及び販売の内容、販売が目的であることを明らかにすること
- また、契約の申込みを受けた時、契約書面には、法律に定められた事項を記載した書面を交付することが義務づけられています
- 訪問販売をしようとするときは、その相手方に対し、勧誘を受ける意思があることを確認するよう努めなければならない(努力義務)
- 消費者が契約の意思がないのに対し、業者はそれ以上の勧誘をしてはならない
訪問販売、勧誘においての禁止行為
- 重要な契約事項について、事実と異なることを告げる
- 契約の内容の判断に影響を与えるような事項をわざと告げない
- 契約をする為に消費者を困らせたり、不安を感じさせる行為
- 日常生活において、通常必要とされる分量を著しく超える契約
- 消費者がクーリングオフを申し出ても、解約できないと、消費者の権利をさまたげる
- 未成年、障害者、高齢者等であきらかに判断不足である消費者に勧誘する
- 消費者の知識、経験及び財産の状況で不適当と認められるが勧誘する
- 契約書面に虚偽の記載をさせる
- 付きまとい行為
訪問販売はおいて、このような規制があるにもかかわらず消費者センターには数々の相談が寄せられています。
訪問販売の手口
訪問販売業者が悪徳業者なのかを見極める為に、訪問販売業者の手口をよく知って置く必要があります。
①今なら安くなりますの言葉
特別キャンペーン・モニター価格・地域限定価格などの大幅な値引きをしてくる業者には注意する必要があります。
塗装工事にかかる費用は「実行予算(塗料代+人件費+消耗品+足場費用)+利益」と最低限決まっています。
大幅な値引きをしてくるという事ははじめから大幅な利益を上乗せしているという事が考えられます。
塗装工事は毎年する工事ではなく、金額があまり知れ渡られていない状況から、相場のわからない消費者を狙った手口と言えます。
又、塗装工事は人の手により完成する工事です。
実行予算を下回ると手抜き工事をする可能性が非常に高くなります。
②点検商法
無料点検に来ましたと言って来訪し「工事したほうが良い」などと契約させる方法「点検商法」があります。
まず販売目的を明らかにしなければ行政規制を破っています。
点検商法は無料などの甘い言葉を使い、家の敷地に入る事を目的としています。
訪問販売販売業者は営業のプロです。
敷地に入ればあの手この手とセールストークをしてきます。
不安要素を煽る様な事があれば、こちらも行政規制を破っている事となります。
③劣化が見えた
「近くで工事していて劣化が見えた」や「たまたま通りがかったら劣化が見えた」と
訪問してくる塗装業者には注意しましょう。
遠めからでは細部まで劣化状況を把握できません。
もし遠めから見て劣化がわかるのであれば、住居人は把握しているはずです。
「近くで工事していた」は安心感を出す為のセールストークに過ぎないと考えましょう。
突然訪問してきてこれらを理由に点検を勧めてくる塗装業者には注意が必要です。
④訪問時にその場で見積から契約を迫る
訪問時にその場で見積金額を提示してくる業者には注意しましょう。
塗装工事の見積金額は面積によって金額が決まります。
よってその場での見積金額の提示はありえません。
優良業者は家の寸法を測り、計算して見積書としてお客様に提出します。
見積書がなく口頭であったり、見積書があっても面積が記載されてなく一式などになっている業者は適当に高い金額を提示している可能性が高いです。
その場では絶対に契約してはいけません。
⑤しつこい・なかなか帰らない
訪問販売の営業マンは工事の契約を取りたいが為に署名や押印するようにしつこく言ってくる場合や一方的に話し、なかなか帰らないなどのケースもよくあります。
訪問販売の営業マンは営業のプロであり、口が上手です。
長時間に渡り説得して契約してもらえるのを待っています。
優良業者はまずお客様の家に長時間に渡り、わざと居座る様な迷惑行為はしません。
そもそも迷惑行為をする業者は良い塗装工事ができるとは思えません。
訪問販売対処方法
訪問販売業者が突然訪問してきても冷静に対処できるように誰でも簡単にできる対処方法を覚えておきましょう。
玄関に入れない
最も簡単かつ有効な方法は玄関に入れないという事です。
玄関にいれてしまうと訪問販売の営業マンは言葉巧みな話し、次から次へと話を勧めようとします。
訪問販売の被害のリスクを回避する為に、インターホン越しで断りましょう。
はっきりと断る
もし玄関に入れてしまった場合は、はっきりと断りましょう。
訪問販売の営業マンはうまい話しや不安要素などを煽り、言葉巧みに話します。
相手のペースにならない様、中途半端な態度はしないで「お引き取り下さい」とはっきりと言う必要があります。
営業マンには名刺をもらう
もし話をしてしまった場合、営業マンには必ず名刺をもらいましょう。
万が一、なにかあった場合、相手の素性がわからなければ対処できなくなる事があります。
警察を呼ぶ
何度も断りを入れ、帰ってほしい旨を伝えているにもかかわらず、しつこい時は「警察呼びますよ」と訪問販売業者に言いましょう。
大抵はこの一言で帰ってくれます。
もし帰ってほしい旨を伝えてるのに帰ってくれない場合、警察に電話しましょう。
「不退去罪」にあたるので警察を呼ぶことができます。
クーリングオフ制度
「うっかり契約してしまった」「言いくるめられた」など発生した場合、
訪問販売は契約書などの法廷書面を受け取った日を含め8日以内に通知をすれば、契約の解除ができるクーリングオフ制度があります。
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まとめ
本記事では失敗しない塗装工事をする為に訪問販売業者の知って置くべき事項を紹介いたしました。
塗装工事などのリフォーム工事においてトラブルが一番多いのは訪問販売業者です。
巧みなセールストークや長時間に及ぶ勧誘に負けてしまう事のないように、その場では契約せず、
まずは家族などに相談しましょう。
更に塗装工事を本当に検討するのであれば、複数の業者から見積書を取り、相場を知った上で検討する事が必要となります。
塗装工事をするのであれば、訪問販売業者の危険なリスクを考えると、あえて訪問販売業者にする必要は絶対にないと言えます。