塗料のグレードの種類について
外壁塗装・屋根塗装で使用する塗料はさまざまです。
この記事では塗装工事で使用される塗料
【アクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、ラジカル塗料、フッ素塗料、無機塗料】
について紹介致します。
塗装工事をする際に塗料選びはとても大事です。
塗料のグレードの種類の特徴を知り塗料選びの参考にして頂けたら幸いです。
塗料は下記図表の通りグレードが上がるにつれ耐久性と価格も比例して上がります。
アクリル塗料
アクリル塗料はアクリル樹脂を主成分とした塗料の事です。
DIYや室内塗装などに使用される事が多く、住宅塗装で使用する塗料の中でも一番も安価な塗料です。
透湿性には優れていますが、紫外線に弱く塗膜のひび割れも起こしやすく耐久性が一番低い塗料になります。
アクリル塗料の耐久年数は5年~7年と非常に短いです。
一般的な住宅の外壁や屋根などに使用する事はほとんどありません。
価格は安価ですが、塗装工事は塗料代よりも人件費や足場代がかかる為、コストパフォーマンスは非常に悪いです。
頻繁に塗装をしてお家の色替えをしたい方以外はオススメできない塗料となります。
ウレタン塗料
ウレタン塗料とはポリウレタン樹脂を主成分とした塗料の事です。
一昔前まで、外壁や屋根で一番使用されていた塗料でアクリル塗料の次に安価な塗料となります。
下地素材との密着性が高く弾力性に優れている為、塗膜のひび割れや剥がれが起きにくいです。
ウレタン塗料の艶ありは艶がしっかりとでて高級感がでます。
ウレタン塗料は紫外線には弱くウレタン塗料の耐久年数は7年~10年くらいとなります。
アクリル塗料よりは耐久性は良いですが、10年と持たない塗料でシリコン塗料やラジカル塗料と比べると金額差もあまり変わらない為、コストパフォーマンス的にオススメはできない塗料となります。
金額を少しでも抑えて、一定の耐久性を持たせたい方向けの塗料になります。
シリコン塗料
シリコン塗料とはシリコン樹脂を主成分とした塗料の事です。
外壁塗装・屋根塗装をする際に最も使用頻度の高い塗料です。
耐候性、汚染性、耐水性の効果に優れ、仕上がりも艶があり高級感がでます。
アクリル塗料、ウレタン塗料と比べ耐久性も高く、シリコン塗料の耐久年数は10年~12年です。
価格帯もウレタンより少し高いですが、価格差はそれほどでもなく耐久年数とコストパフォーマンスのバランスが取れた塗料となります。
「塗装は10年に1回」と考えると間違いのない塗料となります。
ラジカル塗料
正式にはラジカル制御型塗料と言います。シリコン塗料の中の一種でもあります。
ラジカルとは塗料の主成分のひとつ「酸化チタン」に紫外線が当たることにより発生する物質の事で、塗膜を破壊し劣化を促進させます。
ラジカル塗料はラジカルの発生を抑制し、塗膜の劣化がしにくい塗料の事です。
一般のシリコン塗料よりワンランク上の塗料になり、耐久性、汚染性、耐水性の効果に優れ、価格も一般のシリコン塗料とほとんど変わらなくコストパフォーマンスは非常に良い塗料になります。
ラジカル塗料の耐久年数は12~15年です。
ただラジカル塗料は販売されてから、耐久年数まで年数が経っていません。
まだ実績の少ない塗料となりますが、シリコンの一種であり価格も変わらないので一番オススメの塗料です。
フッ素塗料
フッ素塗料とはフッ素系樹脂を主成分とした塗料の事です。
フッ素塗料は高価な塗料で、光沢が美しく長持ちする特徴があります。
シリコン塗料より耐久性や耐候性に優れ、親水性があり付着した汚れが水で落ちやすいのもフッ素塗料の特徴です。
フッ素塗料の耐久年数は15年~20年ととても長持ちする塗料です。
フッ素塗料は高性能で良い塗料ではありますが、札幌で住宅の外壁塗装する際にはあまりオススメはしません。
なぜなら住宅の窓周りやサイディングの継ぎ目にあるコーキングの寿命が先に来てしまうからです。
コーキングと塗装は一般的にセットで施工する事が多いので、「塗膜は傷んでないのにコーキングをする為だけに足場をかけるの?」という事になる為、タイムラグができてしまいますので長い目で見た時のランニングコストを考えると少し疑問が残ります。
ただ屋根など傷みやすくコーキングの少ない所にはオススメできる塗料です。
予算に余裕があり住宅の光沢感を少しでも長持ちさせて材質を傷ませたくない方向けの塗料になります。
無機塗料
無機塗料とは無機物を主成分とした塗料の事です。
無機塗料以外の塗料は有機塗料と言い有機物を主成分とした樹脂を使用しています。
有機物の樹脂が紫外線に当たる事により塗膜の劣化(色あせ・チョーキング)が発生します。
無機物とは紫外線などにより劣化しない(ガラスやレンガなど)の事です。
無機物だけでは塗料に粘着性を持たせる事ができない為、無機塗料には有機物も配合されています。
紫外線などで劣化しない無機物を含む事で塗膜の劣化を軽減している塗料なので耐久性に優れています。
現在、外壁塗装や屋根塗装で使用する塗料の中で最もグレードの高い塗料になります。
無機塗料の耐久年数は18年~25年です。
フッ素塗料同様、住宅の窓周りやサイディングの継ぎ目にあるコーキングの寿命が先に来てしまうので良い塗料ではありますがあまりオススメはしません。
まだ販売されてから無機塗料の耐久年数ほど経っていない為、実績が少ないです。
無機物と有機物の比率によっても耐久性や価格が変わってくる為、十分に説明を受ける必要があります。
まとめ
外壁塗装・屋根塗装を検討する際に、塗料選びは大事な事です。
耐久性はもちろん、価格や性能も変わってきます。
塗料の特性を知る事でご自身にあった塗料を選択する事ができます。
外壁と屋根の材質や状態によっては適正な塗料も変わってきますので現場調査時に塗装専門業者などに相談して見ると良いでしょう。