塗装工事における高圧洗浄

外壁塗装や屋根塗装などの塗装工事を行う際に思い浮かぶのは塗る工程だと思いますが、塗装工事は塗料を塗る前に外壁や屋根を綺麗にしてから塗る必要がある為、必ず高圧洗浄という工程があります。

高圧洗浄は塗装工事において必要不可欠であり、重要な役割を果たします。

今回は高圧洗浄について解説していきます。

高圧洗浄の役割

高圧洗浄中の写真
高圧洗浄中の写真

高圧洗浄は塗装面を綺麗にして塗装の密着を良くする為に行います。

外壁や屋根などの塗装面に付着した汚れ(砂・埃・コケ・カビ)を綺麗に落とす為に行う作業となります。

それと同時に高圧洗浄は既存の塗膜の剥がれなどを綺麗に取り除く作業でもあります。

ゴミや剥がれかけの塗膜などがあると、いくら密着性の良い塗料を使用しても塗料はしっかりと下地に密着する事ができません。

付着していたゴミや剥がれかけの塗膜と一緒に剥がれてきてしまいます。
塗装面を綺麗する事で本来の塗料の密着性を実現させる事ができます。

高圧洗浄の施工手順


①飛散防止シート設置・養生

高圧洗浄は家の周りに水が飛散してしまいます。
飛散防止シートを足場の周りに設置し、近隣に汚水などが飛散しない様にします。

また水で濡れるとまずい箇所や水が家の中に浸入してしまう可能性のある箇所は養生します。


②水の準備

高圧洗浄は大量の水を使用します。
塗装工事で使用される高圧洗浄機は吸い込み式のタイプとなります。。

予め、大きなバケツに大量の水を用意し、高圧の水を安定して出せる様に準備します。


③高圧洗浄

高圧洗浄機を使用し、家全体を洗っていきます。
汚水がつかない様に、家の高い所順番に洗浄していきます。
ゴミや汚れがしっかり取れているかを確認し洗浄作業を終了します。


④十分に乾燥させる

高圧洗浄終了後は家全体が水で濡れている為、そのままでは塗装をする事ができません。十分に乾燥させてから次の作業に進みます。

高圧洗浄で注意すべき6つの事


①洗浄水の飛散

高圧洗浄の作業をする際に使用した水は外壁や屋根などに当たり飛散してしまいます。
足場の周りは飛散防止シートで養生をしますが、高圧洗浄機で使用した水は多少なりともに飛散はしてしまいます。
洗濯物や濡れてほしくない物は外に置かない様にしましょう。


②洗浄機の音

高圧洗浄機を使用している際は、エンジン音が響きます、水が壁や屋根に当たった音も響きます。
近年では静音タイプの高圧洗浄機を使用する塗装業者も増えてきていますが、水などが当たる音はどうしてもしてしまいます。


③近隣への説明

上記①②について、近隣の方にご理解とご協力をして頂く必要があります。
基本、塗装工事業者が近隣の方にあいさつと同時に説明してくれます。
トラブルの原因にならない様に、ご自身でも近隣の方に説明しておく事をオススメします。


④家の窓は全て閉める

高圧洗浄は家全体を洗う作業で、家が水浸しになります。
窓を開けていると水が家の中に侵入してきてしまいます。
塗装業者から高圧洗浄開始時には窓を閉める様にお願いされると思いますが、万が一の事がない様に予め全ての窓が閉まっているか確認しておきましょう。


⑤水道代は家主負担

高圧洗浄時に使用する水は、家主の水道水を使用させてもらう事になります。
もし業者に水を使わせない場合、水を運搬するのに費用が上がり逆に割高になってしまいます。
※高圧洗浄でかかる水道費用はこちらでご確認下さい


⑥高圧洗浄中は危険

高圧洗浄は私たちが想像する以上に高圧に水が噴射されます。
高圧洗浄の圧は人体を貫通する程の威力があり、実際に事故なども起きています。
万が一の事も考え、作業中に近づく事は避けましょう。

高圧洗浄でかかる費用

塗装工事において高圧洗浄でかかる費用は

【①塗装業者の高圧洗浄費用+②高圧洗浄でかかる水道費用】

となります。


①塗装業者の高圧洗浄費用

高圧洗浄の費用は、洗浄する面積によって変動します。

洗浄の単価+面積=塗装業者の高圧洗浄費用

洗浄単価の相場はおおよそ100円~250円程度となります。


②高圧洗浄でかかる水道費用

家全体を洗う為にかなりの水の量を使用します。
住宅の大きさや汚れの多さによって水の使用量は変わりますが、基本的には1㎥(1000ℓ)未満です。


札幌の水道代は北海道でも安い方で【1㎥=450円以下】であまり心配する必要はありません。

洗浄作業にはもう一つの方法【バイオ洗浄】

バイオ洗浄

高圧洗浄とバイオ洗浄の違いはバイオ洗浄剤という薬品を使用するかしないかです。
高圧洗浄の水だけでは落としきれない頑固な汚れ(コケ・カビ)を除去できます。

バイオ洗浄は塗装面全体にバイオ洗浄剤を散布し、コケ・カビなどの細菌を分解させた後に高圧洗浄を行うもので、コケ・カビなどの細菌を根っこから落とすことができます。

当然、薬品を使用し散布しなければならない工程が増える為、通常の高圧洗浄より割高になります。

バイオ洗浄はコケやカビなどの生物系の汚れに特に効果を発揮し、コケやカビなどの汚れが気になる方にはオススメです。

高圧洗浄で全ての汚れを落とす事はない

高圧洗浄をする事により、大抵の汚れは綺麗に落ちます。
しかし外壁などに染み込んだ汚れなどはどうしても残ってしまいます。

高圧洗浄機の水を当てすぎると強力な水圧により、下地に影響を及ぼしてしまう可能性がある為、むやみに水を当て続ける事はよくありません。

塗装業者はタイミングを見て作業を止め、乾燥した後に密着性を高める為のプライマー、フィラー、シーラーといった下塗りをする事で補います。

高圧洗浄しない方がいい場合

高圧洗浄は下地材との密着を良くする役割を担い、塗装工事においては重要な作業ですが、場合によっては高圧洗浄をする事が良くないケースがあります。


サビが激しい下地

サビは水で繁殖し更に転移してしまいます。

高圧洗浄は水を使用して洗う作業となる為、サビ発生の原因にもなる水をサビに当ててしまうと逆効果になり増殖してしまいます。

サビている部分には高圧洗浄ではなくケレン作業にて処理し、下塗り塗装の工程に入ります。


下地がもろくなっている場合

下地の劣化が酷く、下地がもろくなっている場合、高圧洗浄してしまう事により破壊してしまう可能性があります。

高圧洗浄は水圧調整はできるもの下地がもろい箇所には不向きです。

下地がもろくなっている箇所には高圧洗浄は当てずに下地材に適した補修をした後、下塗り塗装の工程に入ります。

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まとめ

本記事では外壁塗装や屋根塗装などの塗装工事において必要不可欠な高圧洗浄について解説いたしました。
高圧洗浄には重要な役割があり、外壁塗装や屋根塗装などの塗装工事をする際には必ず行う作業の一つです。

少しでも安くしたいからと言って高圧洗浄の作業を省くなどすれば品質に問題が発生してしまう可能性があります。

又、自分での高圧洗浄の作業もやめましょう。

高圧洗浄は高所作業も伴い足場の上は水により滑りやすく危険です。
なにかあってからでは取り返しがつきません。

高圧洗浄の作業に慣れ、安心して任せられる塗装業者を見つけてお願いする様にしましょう。

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